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ACN外ネコ調査(報告4)有屋町でスタート



昨年度、奄美市名瀬大熊町で行った外ネコ調査が、今年度いよいよ近隣の名瀬有屋町でも始まることになりました。この取り組みは、奄美大島の市街地、特に名瀬市街地のノラネコ対策の一助になればとの試みから始まったものです。詳しくは、これまでのブログでの報告もご覧いただければと思います。

(カテゴリー「ACN外ネコ調査」をご参照ください)

この活動は、ACN(奄美ネコ問題ネットワーク)の活動の一環です。

ACNとは、奄美野鳥の会・奄美哺乳類研究会・奄美猫部の3団体が中心となり奄美大島のネコ問題の啓発や解決を目指して活動している自然保護団体のネットワークです。

代表して、奄美猫部のブログでご報告させていただいています。


 

まず先月10月29日(木)と30日(金)の2日間に渡って、最初に行う事前調査をしました。

ACNメンバーを含み約30人の方に集まっていただきました。

方法はほとんど大熊町と同じで、町内をエリア分けし、それぞれ担当してもらう地域をゆっくりと猫を探して歩き回っていただきます。そして、猫を見つけたら写真を撮る→地図へチェックするといった、地道な調査です。





そのあと、記録してきた写真や地図の情報をもとに個体識別していきます。

大熊町では子供達にも楽しんでもらおうと企画したため、塗り絵的な要素を入れイラスト作成・色付け作業まで行いましたが、

今回は時間短縮のためにも、撮ってきた写真を見比べての識別作業を行いました。

この作業がなかなか大変で、猫の柄といっても数多の種類があり、顔つきも模様の配置も様々。

皆さんちょっと苦労していましたが、猫の柄の名前や模様がこんな種類があるとは知らなかったなど、新しい発見もあったようで、結構楽しそうに作業していただいたように思います。


この識別作業で一番大切なことは、耳カットしているかどうかのチェックです。

調査の大切な目的の一つでもあります。

もうご存知の方も多いかと思いますが、改めて耳カット猫の説明をしますと、

奄美大島では行政により島内全域でノラネコ対策の一つとしてTNR事業を展開しています。

TNRとは、ノラネコ(屋外にいるネコ)を捕獲(TRAP)し不妊化手術をし(NEUTER)、元の場所に戻す(RETURN)、という一連の作業をいいます。手術をした印に、左右どちらかの耳にV字の切り込みを入れて、目印にしています。(再び捕獲されて手術をされないための方法です、麻酔時にカットの処置をしています)

奄美大島では何年も前から、行政の事業としても、個人・猫部もそうですがコツコツとTNRを行ってきており、耳カット猫を見かけることは多くなってきております。

ただ、奄美市などの市街地は人口やエリアの大きさからモニタリングが難しいという難点があるため、TNRの効果を確認することが難しいとされてきました。

この外ネコ調査はそのモニタリングを担うための一つでもあります。


話を戻して、

その耳カット見分けるためには、カメラがどうしても必要で、しかも一眼レフのカメラとまではいかないですがちょっといいカメラ。拡大してもクリアな画像のカメラじゃないと耳カットの判別が難しいのです。

カメラを用意するまでに、四苦八苦しましたが、なんとか、今までのACNの働きの蓄え金から捻出することができました。

大熊町では、あらゆるところからかき集めて当日になっても台数が揃うかどうか不安なところもあったのですが、これからは落ち着いて調査に取り掛かれるようになります。


そして本番の猫の撮影、カメラのズーム機能が良すぎて、コツを掴むまでちょっと手間取ったかもしれませんが、慣れてきたら、パシャパシャとスムーズに撮影を繰り返し、それはそれは皆さん素敵なカメラマンでした。

そして、2日間のデータを照合し、事前調査のネコマップを作ります。

確定した個体を地図上へ貼付して反映させました。


2020年度有屋町外ネコ調査結果

全目撃頭数 30頭

内訳

耳カット有 20/ 耳カット無 6/ 不明(写真なし) 2/ 飼いネコ 2

不妊化率 74%


現時点で、不妊化率74%達成はとても素晴らしいことです。

これまでの奄美市TNRの頑張りがあってのことだと思います。

ですがまだ耳カット無しの個体も目撃されているので、この結果をさらに奄美市のTNRに活用していただき、不妊化を進めていただきます。



1ヶ月挟んで、さらなるTNRの進み具合も確認するために、12月に再度調査を行います。

今度は事後調査です。

TNRがどのくらい進んだか、また、新たな目撃ネコがいるかどうかなど、さらに情報も更新されると思います。


今回も、有屋町内会の皆様、奄美市担当課の協力があっての調査成功です。

調査を始めるまでにも、日程調整や町内放送を使っての取り組みの周知・告知など、地味な作業も実はたくさんあります。それも快く引き受けていただきありがとうございました。

ご参加、ご協力いただいた皆様に心から感謝いたしております。

何より、この調査の意味ややりがいを多くの皆様が感じ、理解が深まっていくことが実感できたこと、本当に嬉しく思います。

さらなる広がりにも期待しつつ、関係者一同これからもコツコツと頑張ってまいりたいと思います。


 


地元新聞社2社ともに、取材していただき、記事も掲載いただきました。調査結果なども詳しく載せていただいています。 よろしければリンクをご覧ください。 南海日日新聞10月30日記事 http://www.nankainn.com/a-and-p/適正飼養を推進%E3%80%80有屋町で野良猫調査


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  • 奄美猫部 | 人も猫も野生動物も住みよい奄美大島へ 一般社団法人奄美猫部
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